校長の挨拶

校長 小宮 智

希望と夢の波に乗れ

 4月より、本校の校長として着任しました。前任の県教委では、高校教育企画室長として、平成28年度からスタートした県立高校改革実施計画(T期)に係る県全体の教育行政に携わっておりましたが、このたび学校現場に戻り、「生徒一人ひとりの成長にとって何が必要か」という視点で、本校の教育を推し進めていくことになりました。 さて、39期の新入生を迎え、新年度が始まりました。全校生徒は、気持ちを新たにして、内に秘めた目標に向かって日々成長しているところです。 現代は、情報化やグローバル化が加速度的に進んでおり、複雑で予測困難な時代となってきています。今後10〜20年程度で、約47%の仕事が自動化される可能性が高く(マイケル・A・オズボーン氏(オックスフォード大学准教授))、子供たちの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就く(キャシー・デビッドソン氏(ニューヨーク市立大学大学院センター教授))といわれています。 そのため、生涯を通じて不断に学び、考え、予想外の事態を乗り越えながら、自らの人生を切り拓き、より良い社会づくりに貢献していくことができる人間を育てることが求められています。 私は、そうした中で、地球規模的な視点を持つ「社会で逞しく活躍できる人材」を輩出したいと考えますが、次の3つの柱の人材育成が不可欠と捉えており、これまで以上に着実に教育を進めていきます。

3つの柱の人材育成

 @信頼される人材 誠実で自分を律し、他者を思いやる気持ちや言動、行動に責任を持つ。
 A気品と誇りを持った人材 あいさつや立ち居振る舞いなどに気を配り、
  自己肯定感を備え自分に自信をもって前に進む。
 Bマネジメント力を持った人材 常に夢や希望を持ち、それに向かって邁進し、生じる課題を分析し、
  その改善策を立て、課題を乗り越えていく。
 @、Aに関しては、本校では、これまで全職員による生徒との信頼関係を軸とした組織的・継続的で、きめ細かい生徒指導などを行っています。例えば、頭髪や服装指導で、ルールに違反する場合は、一度帰宅させ、考えさせてから登校しなおす再登校指導を実施していますが、ご家庭での保護者の皆様のご理解・ご協力によって、効果を上げてまいりました。これは、日々の声かけを通じて「生徒一人ひとりの成長を願う」という全職員と保護者の皆様と同じベクトルを持っている証であると考えます。 Bに関してマネジメント力とは、何か目標を持って計画し、それに向かってまずはやってみる。やってみる中で、必ず課題が生じます。それをしっかり見つめ、原因を分析し、改善点は何かを考え、実行し課題を乗り越えていくことです。そのようなことは、社会に出て行き、仕事を持てば当たり前の一連のサイクルです。学校はそれを訓練する場であり、学習する場であります。授業、部活動、行事等も含め、必ず何か目標を持ち、実行し、課題を乗り越えていく手段を学校生活の中で、しっかりと身につけさせたいと考えます。 学習指導に関して、1つ例を挙げれば、本校では、入学時から、全生徒に「スタディサプリ」という動画学習教材を導入し取り組ませています。これは、1講座15分程度の授業動画で5教科18科目・1万本以上のコンテンツがあり、大学受験対策から高校の授業の復習はもちろん、中学校や小学校4年生からの学び直しもできる教材です。生徒一人ひとりの実情に合わせた学習ができるわけです。しかし、自習のための教材ですから、視聴しなければ“宝の持ち腐れ”になってしまいます。そこで、本校では、誰がどのくらい視聴しているかを把握できる管理機能を使って視聴を促したり、放課後集団で視聴させたりと、ここでも職員が「生徒の力を伸ばしたい」という情熱から試行錯誤しながら、効果的な活用をめざして取り組んでいます。一昨年度、高校1年生での視聴時間数は全国1位だそうです。こうした取組や、毎日の授業の積み重ね、定期試験や進路実現に向けた外部の模擬試験の結果の活用等、生徒のマネジメント力を高める工夫をより一層充実させていきます。 また、本校は、県立高校改革の中で、平成28年度より3年間「プログラミング教育研究推進校」に指定されています。学力の要素の一つとしてあげられる思考力・判断力・表現力等の育成が求められている中、コンピュータを活用して、論理的思考力を身に付け、協働して問題解決に取り組むことのできる人材を育成するため、問題解決の手順や手法を学ぶ方法の一つとしてのプログラミング学習について、実践的な研究を行い、その成果を広く普及する役目を担っています。これは、あらゆる科目や社会生活にも通じた論理的思考力と問題解決力の育成に寄与するものです。 さらに、本校は平成30年度より、「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」となりました。平成28年度に5校、平成29年度に21校導入され、今年度に50校導入されました。平成31年度には、全県立高校及び中等教育学校に導入されます。学校運営協議会とは、学校の運営や必要な支援に関して協議をする機関のことです(「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」第47条の6)。保護者や地域の方々などと力を合わせて学校運営に取り組むことができる仕組みとして、「地域とともにある学校づくり」を進めていきます。 これらの高校改革の一翼を担いながら、教育を展開していく上で、先ほど述べた3つの柱の人材育成の@、A、Bは、それぞれ独立したものではなく、密接に相互に関わり合いながら育成する必要があります。そのため、教育活動を通じて、職員と生徒との信頼関係をベースにした生徒指導の上に、学力向上に向けた学習指導、高い志を持った生徒一人ひとりの進路実現に向けた進路指導の一体化した取組をより一層充実させることで、効果が発揮されるものと考えます。 「希望と夢の波に乗れ」という本校創立30周年時作成のスローガンの下、地域の方々や外部有識者等の教育資源のお力もお借りしながら、高校3年間でしっかりと能力を伸ばし、「誰からも信頼され、気品と誇りを持ったマネジメント力を備えた人材」を育成してまいります。ぜひ本校に入学を希望する多くの中学生やその保護者の方々を心よりお待ちしています。最後になりますが、今後とも皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  
平成30年5月1日
茅ケ崎西浜高等学校
校長  小宮 智